P-Factory|プロテクションフィルム施工店

世界基準を目の当たりにしたWWM JAPAN2024!【結果報告】

2024.09.30

世界基準を目の当たりにしたWWM JAPAN2024!【結果報告】

いつもP-Factoryホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
店主の井上徳広です。

9月11〜13日に開催されたカーラッピングの技術を競う大会「World Wrap Masters JAPAN2024(WWM JAPAN/日本カーラッピング協会主催)」に、弊社から3人のスタッフが参戦してきましたのでご報告を少し。

結果からいうと、最上位の井上睦基が2日目敗退、松下祐也、井上博統が初日敗退と、とても悔しい内容でした…。せっかく3日間の店舗休業をいただいての出場だったのに…!
ですが、それ以上の学び・成果もあったのが今大会だとも思っています!! というのも、「1:競技内容の難しさ」も「2:出場者の技術」も、今までよりも1段レベルが上がったように見えた大会だったからです。

1:ラッピングとプロテクションの混合競技に!

WWM JAPANは世界で開催されているWWMの日本版で今大会は4度目。今回は3日間・全8種目5ラウンドの勝ち抜き戦で、種目ごとに規定時間内・パーツに指定のフィルムを貼り付け、その仕上がりをジャッジされます。
そして今回のWWM JAPANでは、その指定フィルムの一部に初めてプロテクションフィルム(クリアPPF、カラーPPF)が導入されました。これはWWM世界版や他の海外の競技会でも1つの潮流となっていて、塩ビ素材のラッピングフィルムだけでなく特にカラーPPFもラッピング施工者に必要な技術の1つとなってきているようです。

この塩ビ素材のラッピングフィルムとポリウレタン素材のPPF、伸び縮みの特性も違えばドライかウェットかという貼り方も違い、同じフィルムでも実は要する技術が微妙に異なります。またラッピングは単純なカラーチェンジもあれば繊細な位置合わせが必要なインクジェット出力のデザインフィルムもあり、さらにそこに厳しい規定時間がプレッシャーとして迫ります。

ただ、プロテクション専門店である弊社でも、実はレーシングカーから個人のおクルマまで幅広くラッピング施工をさせていただいております! 品質はもちろんPPF同様のこだわりで、施工実績もプロテクションよりは少ないですがもしかしたら小規模なラッピング専門店であれば上回る程に施工させていただいている自信のメニューでもあります。
そのため実はこの混合種目、弊社スタッフには有利に働く部分もあったのですが、残念ながら松下と博統は初日第1R(第1・2・3種目の合計)で、睦基は2日目の第2R(第4・5Rの合計)で敗退してしまいました…。

2:3連覇中の国内王者が3位…一段上がった選手の技術レベル

その敗因の1つが、出場選手のレベルの高さだと受け止めています。
今回、海外からの選手5人を含めた全48人と、これまでの大会を上回る規模の選手が出場。過去3度のWWM JAPANで優勝した川上選手がなんと3位になり、優勝はデンマークから参戦したサイモン選手が飾りました。サイモン選手は、WWM各地域の優勝者で争われるWWM FINALの2023年チャンピオンでもあり、まさに名目上は世界一の称号を手にした施工者! この2人もそうですが、最終結果の上位の選手たちはラッピングをメインにしている選手が多かった印象です。

もちろん、ラッピングの大会なのでラッピングがメインですが、種目全体で見るとPPF(クリア・カラー)の配分割合約半分弱程度に設定されていて、決して「ラッピングだけ上手く貼ることができれば勝ち抜ける」という大会ではありませんでした。
それでもこの結果は、長年の実績を持つラッピング施工者がPPFパートもスムースにこなし、さらには得意のラッピング施工でもこれまでよりワンランク上の争いを繰り広げたことの表れではないでしょうか。

そして、それを一番感じ取ったのが会場で直近で上位陣の技術を見た出場した施工者たちで、

松下「サイモン選手の無駄のない洗練された動きはとても勉強になりました。普段、出張で外部の方と共同施工することはあってもその方の作業をまじまじと見る時間はほぼないので、他の施工者の施工を見るとても貴重な機会となりました」

睦基「普段どうしてもプロテクションに比べてラッピングの施工時間が少なく、貼る際に考える時間・工程が少し多くなってしまいました。結果的にそうした積み重ねが最後のミスに繋がってしまったかもしれないし、集中力という点ではとても疲れる大会でした。でも、実績の少ないラッピング(インクジェットフィルム)だからこそ、自分の競技順の直前に見た川上選手の施工法の一部を取り入れてみたら想像以上に位置がバッチリハマったりと、過去にもラッピング大会は出たことはありますが今大会でも学べたことは多かったです」

と、スタッフそれぞれ競技大会ならではの収穫を得てくれたようです。

これからもP-Facは大会に挑戦し続けます!

また大会への出場は、学びという収穫のみならず、施工者としてのモチベーションにもなったかと思います。

睦基は第2Rで敗退したのですが、その敗因はラッピングを貼った塗装面にカッター傷をわずかに入れてしまったこと。カッター傷というと驚かれるかもしれませんし、もちろん実際の施工サービスでは入れてはいけないもので、大会ルールでも厳格にチェックされています。
ですが、当然人の手でカッターを使う工程なのでそのリスクは完全ゼロはできず、また競技ならではの迫る制限時間がプレッシャーとなりリスクを増幅。実際、この第2Rでは睦基のみならず32人中海外選手含めた9人のプロが傷を入れて敗退となってしまいました。

そのぐらい繊細な領域ではありますが、結果は結果。これに言い訳することなく、本人が一番悔しく真摯に受け止めています。
そして、その上ででの話ではありますが、実はこのラウンド、審査の採点だけを見れば睦基は全体3位と優勝したサイモン選手よりも上でもありました! さらにクリアPPFの施工だけを見れば全体1位と一応は持ち前の実力を発揮できたと思える部分もあり、睦基自身も「ラッピングも含めたフィルム施工の技術が国内外のトップクラスの選手たちと比べても戦えるレベルにはあるのかなとも思えました」と前向きに大会出場を振り返っています。

また博統も、「クリエイティブ種目※を実は楽しみにしていました! オブジェの形状とフィルム素材を見て、競技開始のデザイン構想の時点で知らず知らずのうちにデザインの幅に制限をかけてしまいました。競技後に他の選手の様々なアイデアやフィルムの貼り方を目の当たりにしてそれに気づき、とても刺激になりました」と、大会出場自体がモチベーション的にプラスに働いた様子でした。
※クルマ以外のオブジェにフィルムでデザインを施す、創作性と貼る技術の両面を競う種目。今回は手の形のマネキンが対象。ちなみに松下の作品は全選手で同点1位(もう1人いました)の評価でした!

この技術への向上心や作業自体を楽しむというモチベーションを持てるのもフィルム施工業の1つの魅力だと思っており(もちろん他のお仕事でもそれぞれあるかと思いますが)、それを各スタッフが体感してくれた部分でも出場してくれて良かったかなぁと。

ちなみにこの競技会での施工は、実際のサービスでの施工と違う部分もあり、競技会ほどシビアな制限時間で貼る仕事・状況はそもそも早々ありませんし、大会の仕上がりで納車するショップもないでしょう。本来ウェットで貼るPPFをほぼドライで貼る、なんていうのも時間優先の競技ならではの技だったりもします。
なので、大会結果が良い人のサービスが必ず良いわけでもなく、その逆も然りで、施工プロショップの間でも競技会の意義をどう捉えるかは是非が別れるところかもしれません。

さらに弊社でも、大会期間の3日間はご依頼いただくお客様にとっては施工や納車引取ができないことでご不便をおかけしてしまいます。加えて個人的に極度の負けず嫌いな店主としては、「大会出るなら2位も最下位も一緒!」なんてスパルタな思いが頭のほんの片隅にわずかにでもあるのは事実…。

ですが、やはりP-Factoryとしては悔しい結果に終わってもなお大会出場に大きな意義があると考えております!
それは、弊社スタッフがそれぞれ感じた通り、大会に出場したからこそ得た「学び」や「前向きなモチベーション」があるからにほかなりません。そしてこれはスタッフのためだけではなく、ひいてはこの成果をもって、おかけしたご不便以上に皆様により良質なサービスをご提供できるようになれるチャンスと捉えています。

…という店主の独断のもと、今後もPファクトリーでは様々な競技会へ積極的に出場(もちろん優勝を目指して)し技術研鑽を続けて参りますので、ご不便をおかけすることもあるかもしれませんが、引き続き温かい応援(特に出場スタッフへは!)のほど、よろしくお願い申し上げます。

お問い合わせ・お見積り